日本には優れた木材が数多くあります。その中でも「天竜材」は特に高い評価を受ける国産材のひとつ。名前を聞いたことのある方は多いかもしれませんが、どこで生まれたどんな木かご存知ですか?
天竜材は、静岡県の西北端にある浜松市天竜区で生まれる木々。天竜は南アルプスと天竜川が作る急斜面の多い山林地域です。天竜材と呼ばれる杉やヒノキはこの急な斜面で育っています。
天竜川流域は温暖で雪害が少なく、育林するのに恵まれた気候だと言われています。この気候のおかげで天竜の木々は根曲がりが少なく、まっすぐで節も少ない木材として優れた特徴を持つ木が多く育つのです。もちろん同じ天竜で育った木でも、木によって特徴はさまざまですが、時間をかけてゆっくりと成長するので、等級の高い天竜材は杉もヒノキも目幅(年輪の幅)が詰まった粘り強い木になります。