神去村なあなあ日常 映画化記念 読書レビュー Ⅳ
2章の謎の全貌がいよいよ明らかになる章。つまりオオヤマヅミの大祭が行われる。
燃える山
このオオヤマヅミの大祭は圧巻。
山を大切にし、守り、そして自分たちの糧にしていく神去村の古来からの生き様が凝縮されたのがこの大祭である。
他所者の勇気を神事に参加させるか否かで対立する村人、
神去山の美しさ、
命懸けの祭りのダイナミックさが描かれている。
しかし、神去村の人たちは良くも悪くも田舎の人達。
人口が少なく、
村民―――いや、村民が飼っているペットですら皆周知。
村人相手には「なあなあ」で済ませられるが、
外の人間にはそうもいかない。
都会から来た勇気は紛れもない「異物」。
受け入れる人もいれば、拒否反応を示す人もいる。これは仕方がない。
作中でも、村外の人間の心ない仕打ちで村が大変な目に遭うシーンがある。
緑の雇用も、勇気のような若者は珍しい部類なのだ。
幸い中村林業の人たちは、
特にヨキは子供のような純粋さを持ち、
勇気を荒々しく歓迎し、
彼を一人前の林業家へと引っ張り上げ、
神去村の一員として面倒を見ている。
最近の若者が草食系と言われている昨今、これ位強引な方が良いのかもしれない。
事実、傍から見ればヨキの指導は楽しそうである。
当事者から見ればたまったものではないのだろうが。。。
続く