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神去村なあなあ日常 映画化記念 読書レビュー Ⅴ


天竜バスツアーももりあがったようですね。


 


さてさてものがたりも 最終章に入ってまいりました。


 


5章 神去なあなあ日常


 終章では、もうすっかり林業家どころか神去村に馴染み一回り大きくなった勇気の姿がありありと目に浮かぶ。


林業の腕も、分厚くなった手のひらから物語られ、ヨキに対しての悪態は相変わらずだが、変に斜めになったりせずに、


尊敬の念が滲み出ている。


 


直紀との関係も、情熱はあるものの、ガツガツせずに山仕事のようにじっくり関係を育てて、それを楽しんでいるように見える。


林業は過酷な労働現場にも関わらず収入は不安定。


逆に言えば、きちんと経営戦略を立て、市場を見極める事ができれば高収入も夢ではない。


ただ、目下の問題は人手不足の一言に尽きる。日本全国には失業者やニートが溢れている現状を見ると、


勇気のように強引に放り込むのもアリではないかとすら思ってしまう。


 


勇気のような若者の方が現在は稀かもしれない。


その勇気ですら、神去村に定着する気は未定。


この先林業を生業として行くのも怪しい。


今の彼が都会へ戻ったとしても、逆に馴染めないか。


大木に囲まれた山の中と人と物が溢れかえる都会。


どちらが素晴らしいとかは判断できないが、帰省してもすぐに神去村を思う勇気は、きっとヨキに近い人間になっているだろう。


 


目的をもって林業に励み、神去村に居続けるのなら歓迎すべき。


何年も「なあなあ」で神去村にいるのであれば残念に思う。


 


20歳になる彼は、これからどう生き、どう考えて行くのだろうか。


林業を通して成長した若者は、きっと自分で考え、行動しているに違いない。


 


続編も出ているらしいので、勇気の成長を是非読みたい。


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